リハビリ辞典

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梨状筋

梨状筋

梨状筋についてまとめて見ました。

 

解剖学的特徴

梨状筋

・起始:仙骨前面、第2-4前仙骨孔の間と大坐骨切痕の縁

・停止:大転子の先端の後縁

・神経支配:仙骨神経叢(S1-2)

・作用:股関節外旋、(外転)

   

筋の特徴

  • 深層外旋六筋の一つ
  • 股関節外旋の他に、股関節外転作用もある。
  • 股関節90°屈曲位で内旋作用に変化する。
  • 梨状筋が大坐骨孔を通過するところで、梨状筋上孔と梨状筋下孔が形成される。
  • 梨状筋上孔:上殿神経・上殿動(静)脈が通る
  • 梨状筋下孔:坐骨神経・下殿神経・下殿動(静)脈が通る
  • 梨状筋は殿筋群に属しており、中殿筋との関係が深く、中殿筋と癒合している。 

臨床的特徴

梨状筋症候群
  • 梨状筋の過度な緊張は坐骨結節を圧迫し、坐骨神経痛の原因となる。※坐骨神経は梨状筋下孔を通過している。
  • 梨状筋症候群の保存療法はブロック注射が一般的である。また、運動療法による神経除圧、滑走性の改善が報告されている。
  • 椎間板ヘルニアと梨状筋症候群の鑑別には、梨状筋の圧痛所見、フライバーグテスト、ペーステストがある。
  • フライバーグテスト:背臥位で股関節屈曲・内転・内旋(陽性:殿部痛誘発、梨状筋伸張で神経絞扼を増強)
  • ペーステスト:座位で股関節内転・内旋に抵抗をかけ外転・外旋させる(陽性:殿部痛、筋力低下、梨状筋収縮で神経絞扼増強)

 

触診方法

  1. 腹臥位で股関節内転位。大転子を近位内側より触診する。
  2. 膝屈曲90°で股関節外旋運動を反復させる。収縮を内上方へ触れていく。
  3. 大転子から3横指程度に指をあて、筋繊維に直行するように筋腹を触診する。

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