大腿方形筋・上下双子筋・内閉鎖筋(深層外旋六筋)
大腿方形筋・上下双子筋・内閉鎖筋(深層外旋六筋)
深層外旋六筋(大腿方形筋・上下双子筋・内閉鎖筋)についてまとめて見ました。
解剖学的特徴
大腿方形筋
・起始:坐骨結節の外面
・停止:大転子後面下部の転子間稜
・神経支配:仙骨神経叢(L4-S2)
・作用:股関節外旋、(内転)
その他:
・内閉鎖筋と共に最も強力な外旋筋
・股関節外旋作用の他に、股関節内転作用がある。
・大転子下部内側の痛みの原因になりやすい。
上双子筋
・起始:坐骨棘
・停止:大転子転子窩
・神経支配:仙骨神経叢(L4-S2)
下双子筋
・起始:坐骨結節の上部
・停止:大転子転子窩
・神経支配:仙骨神経叢(L4-S2)
・作用:股関節外旋
その他:
上双子筋、下双子筋は間に内閉鎖筋を挟みながら走行している
内閉鎖筋
・起始:骨盤内面で閉鎖孔の周り
・停止:大転子転子窩
・神経支配:仙骨神経叢(L4-S2)
・作用:股関節外旋
その他:
・上下双子筋の間を走行している
・靭帯を骨盤で形成された小坐骨孔を通過している
筋の特徴
- 主な働きは股関節の外旋
- 股関節内転・外転の働きもあるが、補助的である。(中殿筋等の作用が強力である)
- 腸骨大腿靭帯などと協力して骨頭を支持し、骨頭の安定化に関与する。
- 人工股関節置換術、人工骨頭置換術では回旋筋は切除される場合が多い。過度な股関節屈曲・内転・内旋は回旋筋群の支持がないため、脱臼リスクが高い
触診方法
大腿方形筋
- 腹臥位で股関節軽度外転位。坐骨結節外面遠位を触診する。
- 膝屈曲90°で股関節外旋運動を反復させる。
- 転子間稜まで外側に触れていく。
その他
上下双子筋、内閉鎖筋は個別の触診は困難
- 腹臥位で股関節内外転は0°とする
- 梨状筋と大腿方形筋の筋腹の間を触診していく
- 膝屈曲90°で股関節外旋運動を反復させる
- 上下双子筋、内閉鎖筋の触診が可能