腸腰筋(腸骨筋・大腰筋)
腸腰筋(腸骨筋・大腰筋)
腸腰筋についてまとめて見ました。
解剖学的特徴
- 腸骨筋
・起始:腸骨内面の腸骨窩
・停止:小転子
- 大腰筋
・起始:(浅頭)T12〜L5椎体ならびに椎間板
(深頭)全ての腰椎の肋骨突起
・停止:小転子
・神経支配:大腿神経(L1−L4)
・作用:股関節屈曲(腸腰筋)
大腿骨固定で骨盤前傾(腸骨筋)
大腿骨固定で腰椎前弯(大腰筋)
筋の特徴
- 腸骨筋と大腰筋は小転子に停止する手前で筋繊維が交差し、腸腰筋となる。
- スカルパ三角内では大腿動脈の外側で触診可能
- 股関節過伸展時には、骨頭の前方不安定性に対し、腸骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯と共に制動し支持する。
- 股関節屈曲拘縮の主要因となる。(検査:トーマステスト)
- 腸腰筋拘縮は腰椎前弯の代償を引き起こし腰痛の原因となる。
- 腰部脊柱管狭窄症の馬尾性間欠性跛行は、腸腰筋拘縮の二次的な腰椎前弯が関与している可能性が高い。
- しゃがみ込み時、立脚後期に鼠径部痛を訴える症例は、腸腰筋の内圧上昇(腫脹。過緊張、拘縮など)が考えられる。
触診方法
- 背臥位で上前腸骨棘と恥骨結節を触診し、間で張っている鼠径靭帯を確認する
- 長内転筋を確認する(股関節外転位で大腿近位内側に浮き出る腱)
- 鼠径靭帯、長内転筋、恥骨結節で構成されるスカルパ三角を確認
- 長内転筋腱の2横指外側で大腿動脈を触診
- 大腿動脈の外側で腸腰筋触診可能
- 大腰筋
- 背臥位で股関節、膝関節を軽度屈曲位とする
- 上前腸骨棘の2横指上内方で腹直筋の外側で確認する
- 深部にあるため少しずつ指を深部に入れていき、股関節屈曲をしてもらい筋の収縮を確認する